平成24年3月(株)野田自然共生ファーム視察

活動報告

(1)野田市 (株)野田自然共生ファームについて
(平成24年3月30日午前10時~視察開始)

 3月議会も無事終わり、平成24年度予算は一般会計の総額が473億300万円という予算編成になりました。その中でも野田市は未来を託す子どもたちのために二つの重点施策を実施するとしています。一つは、放射能により汚染された地区の除染であり、もう一つはコウノトリが住める環境、エコロジカルネットワークづくりを目指すこととしています。
そこで我々政清会は、二つ目の重点施策に着目し、視察を計画。これまでの(株)野田自然共生ファームによる江川地区での自然あふれる生物多様性の環境づくり及び減農薬、減化学肥料による米作り(江川米)の取り組みを改めて学び、また、新聞等に掲載されているようにこの度、都立動物公園より飼育されている特別天然記念物であるコウノトリの提供を受けることについて東京都の同意を得られたため、平成24年度より江川地区でコウノトリの飼育を開始することからあわせて、今回、(株)野田自然共生ファームの現状と今後の計画について現地視察を行いました。

(株)野田自然共生ファーム所長および市長(社長)よりこれまでの取り組みと今後の計 画について説明を受ける。
我々の質問に対し丁寧に回答して頂いた。

市民が泥だらけになりながら田植えをする市民農園。冬の時期は冬季淡水で水を張り、ドジョウ、ザリガニ、フナなどを繁殖させて野鳥の餌場としている。
現在は冬季淡水をやめ、田植え前の準備(クロ付け、代掻きなど)をしています。

江川の田んぼに供給される用水路。きれいな水を供給するため井戸から汲み上げこの用水路から各田んぼへと流れていきます。

コウノトリ飼育施設建設予定地です。
公開ケージ、観察棟の建設用地の他コウノトリ採餌環境となる湿地の再生予定地でもあります。(約4ha)

用水路は田んぼの要であり、生物の生息にとっても重要です。倒木や枯葉が詰まると水の流れをせき止めてしまいますので定期的に浚渫作業が必要。
これは浚渫作業完了時です。

視察中に餌を食べに来た白鷺です。
慣れているせいか警戒心は薄いようです。

田んぼに魚などが上る為の魚道。現在は田んぼに水を張っていないため水かさが上がっていないので上れませんが、水を張ると魚道を使って魚などが行き来するそうです。

<コウノトリの飼育開始までの取り組み>

 野田市はこれまで農業と自然の共生地域づくり事業を進めてきた結果、大きな成果を上げてきている。しかし、一つの自治体の取り組みでは限界がある。より多くの成果を上げるには河川流域単位の取り組みが必要である。そこで江戸川、利根川、荒川の流域の29の市町村が集まって関東自治体フォーラムを組織する。
フォーラムの目的はあくまでも豊かな自然の復活である。目的実現のために田んぼの食物連鎖の頂点に立つコウノトリが棲める環境は昔ながらの自然の復活を意味する。そこでシンボルとしてコウノトリを関東の空に呼び戻そうと考えた。
フォーラムでは、生物多様性の取り組みが先行している野田市における「コウノトリの生息域外保全実施計画(案)」をまとめていただいた。さらに文化庁、環境省、県の指導をいただきながら飼育について協議を東京都と進めてきた。そしてこの度、都立動物公園で飼育しているコウノトリの提供を受けることについて東京都の同意を得ることができた。
今後は都と協定を結び、適切な飼育施設の整備や体制の確立を行い、法律上必要な許可を受けて飼育を開始する予定である。なお、平成24年10月までに江川地区に飼育観察用施設を整備し、11月頃から飼育を開始し、年内に公開予定である。
施設の整備と飼育に必要な資金は、野田市パブリックゴルフ場利用者のプレーフィーの一部を自然保護のために積み立てている「みどりのふるさと基金」を使用することとしている。

今後の計画と目標

①24年度中は1ペアの飼育を開始する。
②3ペア収納可能な飼育繁殖施設を整備する。
③今後10年間安定的な繁殖と江川地区での自然繁殖を目指す。
④環境学習、環境教育、フィールド研究のメッカとなるような施設づくり。
⑤コウノトリを育む環境、自然と共生する地域づくりに関する学習啓発等を展開。

<経済的メリットと狙い>

 自然豊かな農地で安全安心な米・野菜づくりを行っているなどのPR効果により、野田市の農業を持続可能な形に替えていくことが可能となると考えている。
コウノトリの見学と野田市の観光資源を組み合わせた新しいエコツーリズムの形を作り出すことによる経済効果も狙いたい。
最大の狙いは、未来を担う子どもたちのために素晴らしい自然を残すこと。合わせて、自然豊かな野田市をアピールすることにより子育てや老後を過ごすために、野田市に多くの人々に移り住んでもらうことも期待している。