発議第9号 地域農業を壊す「農業・農協改革」はやめるよう求める意見書(案)  (反対討論)

私は、政清会を代表して発議第9号 地域農業を壊す「農業・農協改革」はやめるよう求める意見書に対し反対の立場で討論させていただきます。
ご指摘の通り、安倍首相は戦後の農政を根本から覆すことになる「農業・農協改革」を進めようとやっと舵を切り始めました。
今、農業が抱える問題の要因の一つが、戦後の食管制度のもとで行われてきた米の高い関税率と減反政策による生産調整、高米価維持という保護政策により国際競争力を無くしたことが農業の衰退に繋がったと考えています。そして、戦後の農地解放により小作人はやっと農地を持つことができ、地主になったことで農地を守りたいがゆえに保守化していきました。その農家・農村を組織したのが農協です。農協は、戦後の食糧難のもとで米を農家から政府へ集荷するため金融から農産物の取り扱いや農家・農村の全ての事業を認められ、いかなる法人にも許されなかった銀行事業も認められています。また、肥料販売の8割を占める独占的事業体にもかかわらず 協同組合であることから独占禁止法の適用を除外されています。これは、いかに戦後日本が食糧確保に必死だったが伺えます。そして、戦後の農業は、農地解放により供給力ではなく需要力が増すことで購買意欲が向上し高度経済成長期まで非常にうまくいった政策であったと思います。しかし、時代の変化ともに農家自体が弱体化し、農協なしでは経営が困難なシステム構造が出来上がってしまいます。
本来、農協とは農家・農村の指導的立場を目的に作られた組織だったはずです。例えば、資材ひとつとっても販売価格を一般企業と同じ条件で競争すれば販売価格は低下することができるはずです。
安倍首相の狙いは、農協を株式会社化することにあると思っています。とは言ってもこれまで日本の国土である農地を守り抜いてこられた農業委員会や土地改良区、農業関係者の皆さんには本当に頭が下がる思いであります。ただ、日本の農業政策が過去の成功体験に引きずられ、時代の流れに適応することを怠ってしまったことで方向転換できずにいるのだと思います。今まさに農業・農協は方向転換するべきです。日本は諸外国と比べ、土壌と水に恵まれた気候変化に富むことから気候条件も品質も恵まれた国であると思います。
欧州が農業の経済成長拠点になっているのは、国をあげて食糧生産も環境保護も一大産業と位置づけ力を注いでいるからです。また、ワイン、シャンパン、ブランデー、ウイスキー、チーズ、トリュフこうした高級食材において欧州は圧倒的な競争力を持ち、高値で取引されています。いずれも原料は葡萄や大麦、トウモロコシ、生乳、きのこと自国の新鮮な農産物と加工にこだわり、伝統と歴史ある町並み、田園風景を守り、欧州の魅力を全世界にアピールしマーケティングすることで経済の一大成長拠点に育っていったと考えられます。しかも、欧州には農協なる組織はありません。まさにこれらは、安倍首相が進めようとしている「6次産業化」「輸出産業化」「成長産業化」「農業・農協改革」そのものだと思います。日本の地域農業を考えた時、国内消費にとらわれた保護政策ではなく世界に目を向けた攻めの政策に転じるべきです。そのための改革であり成長戦略です。案文のような改革をせずに、ただ指をくわえて何も手を打たなければ農業の末路は目に見えています。だからこそ、安全な食料の確保と食糧自給率の向上を初め、国土・環境の保全と農村社会と地域経済の維持発展にとって改革は必要不可欠であり急務であると考えます。
よってこの意見書には反対といたします。